今日、我が家にBRUNOの電動式コーヒーミルがやってきた。
ずっと、豆からコーヒーを淹れるのが憧れだったから使うのが楽しみ。
とりあえず今はお店で挽いてもらったものがあるのでしばらくは
可愛らしい見た目を愛でたいと思います。
合わせて読みたいのが、旦部幸博さんの「珈琲の世界史」
いつも好んで飲んでいる珈琲だけれどルーツ的なものを考えた事がなかった。
実は人類誕生以前から存在していたらしい。
紅茶や緑茶よりも長い歴史があるのだとか。
でもコーヒーノキが自生したエチオピアあたりは
文明が発達していなかったため、残っている文献が少ないのだそう。
最初はエチオピアの部族の中で来客の際に振る舞う「コーヒーセレモニー」という
日本の茶道に似た雰囲気で楽しまれていたり、煎って潰したコーヒー豆と動物の脂を
混ぜてだんご状にした「エナジーボール」として使われていたよう。
他にも多様なコーヒーの使い方があり、薬として使ったり
移住した時に人々の体に塗ってお清めをしたり
結婚を申し込む際、男性から女性の両親への贈り物にしたり・・・。
どのように使われていたかを知ると、コーヒーがエチオピアの人たちに
とってどんな存在だったかが窺い知ることが出来る。
そんな様々な生活儀礼に使われていたコーヒーも
カフェインの作用で怪しい飲み物とされたり、
禁止令が出されたり、奴隷の飲み物だとされたり
さまざまなドラマを経て現在に至っている。
特にコーヒーが世界に広まったきっかけの一つとして
奴隷として買われたエチオピアの人たちと一緒に
ヨーロッパに伝わったとされる経緯は波瀾万丈だったのかなと想像する。
自生していた土地の人たちがヨーロッパへ行かなかったなら
ここまで広まった飲み物ではなかったかもしれない。
だけど自分を生活のあらゆる場面で親しんでいた人たちが
奴隷として新たな土地に行くという事実はコーヒーとしても辛かったろう。
そして最初は忌み嫌われる飲み物だったのだから心中お察しする。
それでも徐々にヨーロッパ圏でも親しまれていって
最終的には世界中の人たちが日々楽しんでいる。
長くて濃厚な歴史を感じながら一杯のコーヒーを楽しみたい。
個人的には深煎りが好きだが、深煎りの苦さの中に
気が遠くなるような経緯やさまざまなドラマが
含まれているように感じる。
また、イギリスも以前は紅茶ではなくコーヒーの国であり
男性しか入れないコーヒーハウスなるものがあって、
そこで交わされる政治や商業の話なんかも想像すると楽しい。
カフェの発祥のおフランスでも内装を豪華にしたり
チェスを楽しむ静かなカフェがあったのだそう。
そしてフランス革命も始まりはカフェからだという話もあり
浪漫が溢れて止まらない。
今の粉が無くなるまでに読み返し、晴れて家で豆が挽けるようになったなら
歴史を感じてじっくり丁寧に味わいたいと思う。