これからの時代「オタク」であることを活かして生きていけるか?
をテーマにした10代向けの啓発本。
自分の好きなこと、やりたいことを仕事にするにはどうしたらいいのか。
そもそも好きなことで生きていくのは可能なのか。
そんな疑問と作者が考えた仮説を実際に「オタク」であることを
武器にしている人々にインタビューして検証している。
本書はその対談の内容になっている。
まず作者が考えた仮説が
・自分の才能は自分だけが気になっているものに隠れているのではないか。
子供の頃に親や先生に「そんなことはどうでもいいから」と言われた経験があったなら
その「どうでもいいこと」に自分だけが気になっていると言うことになる。
他の人には気にならないことの中に、自分だけが活かせる何かがあるのではないか。
・好きなことは掛け算した方が良いか。
アニメが好きならアニメ一本でと言うよりはアニメと音楽というように
好きなものを掛け合わせた方が可能性は広がるのではないか。
・将来は何になりたいか?ではなく将来は何をしたいか?で考える。
自分の好きなことの見つけ方や、仕事の探し方について
何になりたいか?ではなく何をしたいか?で考えるべきなのでは。
などなど、他にも作者の考えた仮説を
声優やアニメプロデューサーから、ダンサー、IT批評家まで
自分の好きを仕事にしている人たち話を聞いて検証している。
検証結果も含めて若い人たちが明るくなれるような内容だった。
例えば上に記載した以外の検証に「仕事=辛いこと」「給料=辛いことのガマン代」ではない。
という検証。
こちらの結果はYES。
辛いことは時にはあるだろうけれど、仕事でなければ得られない
達成感やワクワク感がある。というもの。
確かにそうだよなと思う。
私自身も新卒の頃こそ何となく就活して、内定いただいたところに就職・・・
という経験があったけれど、転職なんかをする上で自分がやりたくて
選んだ仕事というものはどれも面白く、日々充実していたと思う。
もちろん何となく就職した職場でも大変良い人たちに恵まれて学びもあり
それなりに楽しいといえば楽しかったけれど、少しでもトラブルがあると
必要以上に凹んでさらに空回りしていたように思う。
自分で選んだものならば、少し嫌なことがあったとしても
好きなことをした時に付いてくるトラブル。と受け止められた。
辛いことが全くないわけじゃないけれど、辛いことを我慢して
お給料をいただいている感覚はなかった。
心配事が尽きない世の中だけれど、
悪いことばかりでない、好きなことで生きていくことは可能なのだと
これから社会に出ていく若者が前向きになれる内容だった。
また仮説ではなく作者がはっきりと述べていることで
「アプテント」というものがある。
挑戦という意味だけれどもっと軽く試してみるという意味。
面白いと思うことにとにかく飛び込んで
行動量を増やす。失敗しても恐れずに学びと捉える。
好きなこと、オタクを武器にするというのは運の要素もあるが
その運を味方にする可能性を上げる行動なのだという。
好きなことがわからない人や何となくやりたいことはあるけれど
どうすればいいか分からないという場合にも大いに役立つ行動だと思う。
よく思考は実現するというが考えているだけではダメなのだ。
とにかく行動して行かないと叶うものも叶わないのだろう。
若いうちなら多少の失敗も許される。
若さという初期装備を十分に使ってどんどん行動してほしい。
またある程度ポジションが決まってきている大人にとっても
生活の中にワクワクする要素を取り入れるための参考になると思う。
私生活が楽しくなると自ずと仕事も捗るような気がするのは私だけか。