来月に控えたリッツカールトンでのアフタヌーンティー。
その予習のために書棚から引っ張り出してきた一冊の本。
英国式アフタヌーンティーの世界。
日本のみならず世界で親しまれているアフタヌーンティーの
マナーや、紅茶の美味しい淹れ方、歴史などを解説している。
また全国で素敵なティータイムが楽しめる場所を写真付きで
紹介していて、優雅な午後への想いが膨らんでいく。
アフタヌーンティーの始まりはある貴婦人の寝室からなんだそう。
アンナ・マリアというその女性は、午後の4時くらいになると
気が滅入ってきてしまう。
その理由はきついコルセットと貴族の食生活のせいだったよう。
19世紀のイギリス貴族の食事は1日2回。
朝は遅めに食べたら、夕飯は20時頃だった。
その間は何も口に入れず、空腹とコルセットの息苦しさに
耐えかねて寝室に紅茶とパンを運ばせて
1人「秘密のお茶会」を楽しんでいたそう。
そして最初は1人だったお茶会もだんだん友人を招くようになり、
次第に広まっていったのが現在のアフタヌーンティーに繋がったのだとか。
ちなみにこのアンナ・マリアという女性
午後ティーのラベルに描かれているのが彼女なんだそう。
このことを知った時、あの人実在してたんだ!という驚きが大きかった。
今でこそ、マナーが細かくて難しそうという印象のアフヌン。
始まりを知ると実はそこまで肩肘張らなくても・・・
という気持ちになってくる。
それでも一応最低限のことは知っておきたい。
マナーというのはそれぞれの流派的なものがあるらしく
各々言っていることが違うので混乱する。
多分これがマナー分からない問題の要因なんだろうな。
アフタヌーンティーの作法は日本の茶道と似ているところがあるらしい。
単純にお茶やお菓子を楽しむのではなくて、
飾られている調度品や茶器、建築様式などを
五感を研ぎ澄まして「味わい尽くす」
カップのデザインや、お茶の香り色を楽しんだり
窓から季節を感じられる景色が見えたならそれについて話し、
部屋の内装のことについて触れたら良いのだろうか。
知り合いとの一対一なのでそこまで気をつけることはないのだろうが
せっかくなら非日常的な空間で「マダムごっこ」を楽しみたい。
1人の侯爵夫人の寝室から広まったアフタヌーンティー。
多くの人が楽しむようになり、いつの間にか話される会話、
紅茶の飲み方一つでその人の品格や教養がわかってしまうとされているのは
考案者が望んだ結果かどうかはさておき、なんとも階級社会の英国らしいと思う。
来月のお茶会は「祖母姫、ロンドンへ行く」の感想会も兼ねているので
本場を堪能した祖母姫に思いを馳せながらめくるめくアフタヌーンティーの世界を
楽しみたいと思う。