出会えてよかった作品

個人的に今年のトップ3に入る恋愛小説。

「100万回生きたきみ」
2500年間ずっと1人の人を思い続けた
最高にロマンチックで濃厚な純愛物語。

小説を読んで確かに幻想的だという感想を持った。

100万回の転生を繰り返す主人公は
終わりの見えない人生に
「うんざり」とか「疲れ切った」
という言葉では表せないほど冷めてしまっていた。

何のために生きているのか
過去の人生をどんどん忘れていく中で
また会いたいと思う人のことだけは
忘れずにいた。
その人の存在が100万回という人生を
支えていたのかなと思った。

タイトルを見た時に想像した内容とは
全く違くて「きみ」の意味が読む前と後で
180°変わった。

恋愛ものでもファンタジーの要素が強く
刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる。
私にはとても刺さった。

純愛×ファンタジーってとても強い。
ヒロインがいて、王子様のポジションの人がいて
邪魔する悪役ポジションがいて・・・
そんな構造は単純なのに転生する設定と
登場人物みんなが良い人という要素が
物語を複雑にしていて飽きずに一気に読めてしまう。

この複雑さが単なるハッピーエンドの
恋愛物語でなくしているのだろう。

こちらの作品の魅力は私の語彙力では
伝えきれないところが多くでもたくさんの人に
読んで欲しいと思う一冊。

重厚で濃密な時間を過ごせる。
「愛」ってなんだという質問があるけれど
大切な誰かのために生きること、
大切な誰かを悲しませないことなのだと思う。

人を喜ばせるよりも悲しませないことの方が
難しくてでも重要なんだと改めて実感した作品だった。

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