自分を鼓舞する一冊

落ち込んだ時や、何となくやる気がでない時など
自分を奮い立たせたい時に読みたい小説。

林真理子さんの「コスメティック」は
読んでいて自分の中からパワーがみなぎってくる。

才色兼備が集う化粧品業界のお話。

フランスに本社をおくとある化粧品会社。
そこのPR担当として働く北村沙美。
一日中営業で歩き回ったり
新作発表会のパーティの準備
女性誌の編集者との接待など
バリバリ働く姿が眩しい。

仕事に恋に充実した日々を送り
キラキラして見えても
気まぐれで殺伐とした女性社会を
懸命に渡り歩く彼女を応援したくなる。

自分の身だしなみ、流行、品性
編集者の好みなどを把握するなど
常に気を使いアンテナを張っている。

仕事ができて頭も良くて公私共に充実した生活を送る
女性を羨ましく感じることもあるけれど
実際は本当に疲れる毎日なのかもしれない。

その本当に疲れる毎日を日常として
過ごしていけるのも才能なのだろうな。

沙美を取り巻く人々も
フランス大使館勤めの夫をもつ
二児の母でありPR担当のチーフ。
フランスの本社と日本を行き来して
仕事をこなす男性など
優秀で輝いている人たちばかり登場する。

そんな能力を持った一握りの人たちしか
体験することの出来ない世界を目の当たりに
できて終始ワクワクできた。

コスメという聞いたたけでときめくアイテムを扱っていたり、
どんな問題にぶち当たっても走り続ける主人公に勇気をもらえる。

頑張る彼女を応援したくなるのは読者だけではないようで
作中の男性もあれこれ沙美に教えてくれる。
そしてその教えをしっかりこなしまた
自分でも考えて動く。

パワフルなヒロインに自分も頑張ろうと思える一冊。
読後は街中で見かける女性誌や化粧品が様々な人が
携わり闘いを繰り広げた末に完成されたひとつの作品なんだなと
今までの印象と少し違って見える。

ちなみに女性編集者には各化粧品会社から
毎月段ボール箱いっぱいの化粧品が送られてくるようで。

なんて夢のようだとも思ったけれど
ちゃんと書かないといけないと思うと
値段の分だけプレッシャーですよね。


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