面白さ★★⭐︎⭐︎⭐︎
好き★★⭐︎⭐︎⭐︎
おすすめ★★⭐︎⭐︎⭐︎
この間市立図書館に行った時に借りたもの。
新しい住居は図書館が近いので
これを機に利用者カードを作った。
児童書の棚を主に見て回ったが
一緒に来ていた旦那さんが小学校の時に
よく借りていたシリーズらしく
「借りて見れば?」
と言われて怪談レストランシリーズ1冊目を借りた。
子供向けの怪談話が数話ある短編集。
一冊通して1、2時間あれば読めてしまう内容量で
気軽に手に取れる。
基本的にどれも王道な「こわい話」であり
展開もなんとなく予想できる。
小学校低学年向けなので
怖さもそこまでない。
「幽霊屋敷」と「ふとんの怪」という二つの
物語がホラー味があって私の恐怖心に刺さった。
「幽霊屋敷」は、お化けが出ると噂されている
空き家に近所の子供2人が学校帰りに
面白半分で探検するという内容。
テープレコーダーとカメラを持参していたのは
なんとなく現代の「心霊スポット行ってみた」的な
企画をやているYouTuberを彷彿とさせた。
実際に中に入っても何も起こらなかったが
後で色々確認してみると、不可思議な現象が
起こっていたという内容。
最後のオチはうっすらと怖さが残る終わり方だった。
「ふとんの怪」は沖縄が舞台で
戦争の時の悲惨な出来事が絡んでいた話だった。
沖縄、戦争という単語で連想される通りに
怖いという感情よりも、果てしなく重たい悲しさが
ねばっこく残った話だった。
大きな無念を抱えた人の霊が大勢集まることで
人間に恐怖を与える心霊現象を引き起こしてしまう構図というのは
悔やんでも悔やみきれない切なさがある。
最後はユタという霊力を持った老婆が祓っているのも
なんとも「らしい」物語だった。
一冊を通して退屈だったわけではないが
次はいいかな〜という感じ。
個人的にはもう少しひとつひとつの物語に
ボリュームがあってもよかった。
ひねりやどんでん返しまではいかないまでも
幽霊となってしまった人の背景や
怖さの描写がもう少し細かい方が
より楽しめるかなといった感じ。
とはいえ小学校低学年向けならこれくらいが
ちょうどいいのかな。
私が小学生であったとしても、手には取らないタイプの本だけど
だからこそこんな感じだったのかと思うこともあった。
実際にタイトルはなんとなく知っていたけれど
短編集だったとは思わなかった。
本屋さんで出会っていたら我が家にくることはなかったであろう
こちらの本を読んで、気軽に読んでみようと手に取れるのが
図書館の魅力だなと感じた。
これまでは、喧騒を逃れていく場所だったり
書棚にずらりと並んだ背表紙を眺めて
雰囲気を味わったり、学生の頃であれば勉強に使う場所だった。
借りるというのは、子供の頃以外には思い出せない。
短大に通っていた頃課題でどうしても必要なものを借りることはあったが
義務感が強くて記憶にあまり残っていない。
今回とても久しぶりに図書館の利用者カードを作ったが
これからはいくらでも本を手に取れると思うとワクワクする。
今までは、「本は買って自分のものにする」という
価値観だったが、実際に図書館に行ってまた借りてみて
たくさんの人に読まれて、くたびれた感じの本も
味があっていいなあと思った。
買うとなると、収納やお財布と相談しなければならないので
気になった時にすぐに手に取れない時があるが
そんなことを気にしなくても良いというのも
とても心を軽くしてくれる。
引っ越し前に売った私の本がコミック含め
100冊超えていたのには我ながら驚いた。
よく床が抜けなかったものだと思う。
それでも新居では新たに書棚を買い足したくらい。
自分が本当に好きだと思えるものや
大切にしたいもの、本だけじゃなく
私物の厳選をしたい30代。
特に書籍はいつの間にか増えてしまうものなので
上手に図書館を利用していきたい。