27日土曜日に読書会を開いた。
課題本は「秘密」
初めてお会いする&高学歴という方もいて若干緊張していたが楽しかった。
若さと賢さでなるほどなという感想が聞けたし、
これから読んでみたいミステリにも出会えた。
(やはり、アガサ・クイリスティは全ての原点なのね・・・?)
私は東野圭吾作品はガリレオシリーズを
ほんの少ししか知らず、秘密は初読みだった。
よくあるミステリだろうとがっつり謎解きをするつもりで
読んでいたが、途中からこれはヒューマンドラマかな?
と思えるような作品だった。
これは伏線かもしれないなと
思っていたところはことごとく回収されず。
読後は皆さん色々考えを持っていた。
解釈は人によりけりで、どれが正解とかないからこそ
人の話を聞くのは面白い。
あーだこーだ話していると
新たに考えることとか見つけることが出てくる。
「秘密」はスキーバスに乗っていた親子が
交通事故に巻き込まれ、母親が娘に憑依するという内容。
娘の体の中で母親が生きている。
主婦としての能力もあり、夫婦しか知らないような思い出も
しっかりある。
それと同時に娘の学力的な能力も持ち合わせている。
これが不思議だという話題になった時、
脳は娘のものであり無意識の中に娘も存在している。
能力を出しているのは母親であり憑依前の記憶も引き継いでいるから、
母親の能力と娘の能力がつながって両方の知能が使えるのではということに辿り着いた。
作者が電気工学科を出ていることから
これは電気回路から発想を得たのかなという意見を
聞いてなるほどなと思った。
私1人では考え付かなかったようなことが
人と集まって話をしていると得られる。
作者の略歴をざっと見ていたけれどここまでは考えていなかった。
こうやって一応の結論を出せたことも満足だし
とりあえず調べておいた略歴がわずかでも役に立ったことも嬉しかった。
各々の解釈を聞いて、自分と同じでも違っても
そんな読み方があるのか!と目から鱗だったり
思いもよらない考えにたどり着けたりすることが
読書会の醍醐味だなと改めて感じた。
立場や世代にばらつきがあった方がよりたくさんの解釈が
聞けるだろう思う。
そして何よりも期限付きで人と話すという目的があるため
しっかり読む。読み終えられる。
積読しがちな私にとってはとても良い機会だと感じる。
読書はやっぱり読んでアウトプットしてこそ。
だからなんだというような事でも
考えてそれなりの結論が出ることで自分の中に
作品を留めておける気がする。
明日の役には立たなくても
一つの事柄に対して何通りも考え方があるんだと
実感できるし、違う意見も受け入れやすくなるんじゃないかと思う。
違う考え方は刺激になるし、ただただ雑談しているのも楽しい。
日々忙しくしていると、同じことの繰り返しになってしまい
それだと心が荒んでくる。
その味気ない日常を少しでも彩りのあるものにできるヒントが
一冊の本には詰まっていると思う。
やらなければならないことは一旦忘れて
少し立ち止まって本を読む。
そして、感想を言い合うための雑談をする。
これが、割とリフレッシュになり日常の孤独感から解放される。
日常を少しでも明るいものにするために
私は本を読んだり読書会に参加したり、自分でも開く。
今回参加していただいた皆様の日常も
同じようにほんの少しでも明るいものになっていたら嬉しい。