昔からよく、1人で遊ぶのが好きだった。
年子の従姉妹が近場に住んではいたし妹もいるので、
全く遊び相手がいないという子供時代ではなかった。
それでも、従姉妹とは頻繁に会えるわけではなく
妹とは歳が離れているので、自然と1人で遊ぶという環境が
出来ていたのだと思う。
自分で考えだした空想の世界に浸って
いつまでも1人で遊んでいた。
最近、その経験が生かされているというか、
これは1人遊びの延長じゃないかと気がつくことがあった。
旦那さんが転職し、歓送迎会が週末に増えて
さて、夕飯をどうしようと思った時、
ご飯だけ炊いてスーパーの惣菜やレトルトカレーで
済ましてもよかったが、折角なら自分のためだけに
大好きなハンバーグを作ろうと思った。
玉葱を丁寧にみじん切りしてじっくり炒める。
空気をちゃんと抜いたタネは少し大きめにして
オーブンでふっくら焼き上げた。
ソースも手作りのデミグラスソースもどきを作製。
盛り付けもそれっぽくして自分のためだけの
「大きいハンバーグ」が完成。
娘には小さめのハンバーグをいつもの夕飯時にあげて、
私は子供が寝たあとにゆっくり食べた。
YouTubeでちょっとそれっぽいBGMをかけて
「お店みたい」な雰囲気作りもする。
1人でゆっくり食事していた事もあっただろうが
確かに美味しく、そして何より調理も含めとても楽しかった。
お客さんとシェフの一人二役する
レストランごっこみたいだとふと思った。
同時に子供の頃はよく自分で空想の世界を作り上げて
いつまでも遊んでいたことを思い出した。
子供の頃にしていた遊びを、
まさか今になっても繰り返しているとは思わず
ひとり苦笑いをした夜だった。
最近は、なかなか自分のために料理をするという機会がなく
夕飯を含め、食べ物の用意は義務になっていた。
毎日何を作ろうか考え、買い出しに行き、時間に追われるように
ささっと作る流れが、なんとなく忙しなくて好きじゃなかった。
料理は好きだったはずだし、今でも変わらず好きなのに
なんか面倒くさいなと感じることが多いのは
義務だからなんじゃないかと思う。
日常の夕飯作りは億劫でも
趣味のお菓子作りは楽しかったりするのは
自分が「やりたい」という気持ちがあるからなんだよね。
いくら好きなことでも、気分が乗らない時も確かにある。
それが、やらねばならないと義務になった時には一層腰が重くなる。
義務で作った料理だって美味しいには変わりないと思うが、
自己満足ってやはり大事なんだと思った。
自分が作りたくて作ったものは確かに美味しいと思える。
誰かに「美味しいね」と言われなくてもさほど気にならない。
でも、そうやって作りたくて作ったものの方が
人からのウケも良かったりする。
料理以外でも誰かがやりたくてやっている事とか
作りたくて作り出したものって魅力があるから、
自己満足とか1人遊びって案外悪くないのかもしれない。