たまたま見つけたリボンコミックの「恋するミニマムムーン」
積極的に友達作らず、人付き合いが苦手、1人でいた方が楽だという
スタンスで中学一年生を送り、気づけば輪の中に入れずに進級することになった
主人公の望月雪美ちゃん。
一年生の終わり頃になって、同じクラスの木南孝太くんや
水口あずきちゃんと急に仲良くなり
クラスが離れてしまうことが寂しく感じたり
自分の恋心に気づいたり、最初から展開が早くて
とても引き込まれた作品。
少女漫画っていつでも自分が楽しかったと思える時代に戻してくれる。
この時に感じる「楽しかった」は今の時点で過去を振り返ったとき
背負っている責任が何もなく自由で一番眩しく輝いている時代。
楽しかったなと感じる時というのは、今までの人生でも
いくつかあるけれど、一番輝いているのはやっぱり学生時代。
自由でそれなりに悩みもあったけれど
今振り返るとそれさえも期間限定の特別な物だったなと思う。
私も雪美ちゃんと似たような感じの生徒だった。
目立たず友達も少なく、1人でいる事が割とあった。
そんな自分が嫌だったわけではないけれど
もう少し愛想良くできたんじゃないかと考える時もある。
もっと周りと会話していたら、少し違った学生生活が送れたのではないかと思う。
全く友達ができなかった一年生時代を後悔して、雪美ちゃんは
二年生からはクラスの人たちと関わりを持っていく。
不器用だけど同じクラスになれた水口あずきちゃんことぐっさんや
友達のフォローもあってクラスに馴染んでいく。
同時に恋愛も少しづつ進んでいって最初から最後までワクワク楽しめた。
恋愛もののキュンとする要素はほどほどでどちらかと言えば
忙しくても楽しい中学生活が描かれている。
その眩しくてザ・中学生という要素がハマったのかもしれない。
雪美ちゃんの一年生時代のような子って割と多いのではないかと思う。
そんな周りに馴染めないけれどなかなか行動する勇気が出なかったり
そんな学生時代を少なからず後悔している人にとっては
憧れと尊敬と親近感が混ざったヒロインで好感が持てるのではないかと思う。
そして可愛らしく柔らかな絵柄と小物まで可愛く描かれているのがツボ。
一巻でぐっさんが持っているクマのシャーペンがたまらない。
クマのシャーペンなんて大人になって使わない。
そんな中学生感、少女感が溢れていてもう本当に好き。
「私、この可愛い世界観を堪能するために生まれてきたのね」
とどこかの王妃さながらなため息が思わず出てしまった。
単行本も全3巻と長くなくて、どっちかといえばまだまだ続いて欲しかった
という完結してしまった寂しさが残る。
でもこの物足りなさが良いのかもしれない。
長く続くよりもスパッと完結した方がスッキリする。
登場人物もみんなびっくりするくらい良い子。
私が少女時代はもっと捻くれたヒロインのライバル的な存在が
1人はいたような・・・。
これも時代の移り変わりなのかな。
終始平和でちゃんとハッピーエンド。
心の毒抜きには最高の作品。