パンといえば先日娘が食パンを詰まらせてしまい
平日の昼間ということで私以外大人はおらず
ひとり泣きべそかきながら吐き出させたという事件が起きた。
今までにもなんとなく詰まりかけているなと
思うことはあったが、その度に飲み込んでいたので
今回もそんなんだろうと思っていたら
本格的なやつだった。
初めての経験で焦るやら不安やらで
この時ほど、義両親なり両親なりと同居している人が
羨ましいと思ったことはなかったし孤独を感じた時はなかった。
これまでにも、これって大丈夫なの?
という体調面やまだ寝返りしない、つかまり立ちしない
という発達面の不安があり、どこかに相談しにいくか迷ったこともある。
究極の理想は、母親一人ひとりに小児科医が
四六時中ついていてくれることだと思う。
不可能に近いけれど、そうだったらいいのにな。
前置きが長くなってしまったが
「バタつきぱん」というワードに魅せられている今日この頃。
一番最初に気を引いたのが確か「赤毛のアン」の2作目。
グリンゲイブルズで面倒見ている双子のひとりデイビーが
夕飯前に空腹を訴え、アンがバタつきパンをあげようという
やり取りの中だったと思う。
作品の雰囲気も手伝ってか、とても優しくほんのり甘いパンを思い浮かべた。
ぜひ私も一口齧りたいと思ったのを覚えている。
その後に気になったのが「秘密の花園」
閉ざされたお庭で、主人公メアリとその友人のコリン、ディコンが
3人でティータイムを楽しんでいた場面。
用意されたお茶菓子の中にバタつきパンがあった。
広いお屋敷の中の一角というのもなんだかロマンを感じるが
子供たちだけでこっそり楽しむお茶会の中に登場したバタつきパンも
唯一無二の特別感がある。
「秘密」というひとつのパワーワードがバタつきパンの味を
引き立てているようにも感じた。
いずれも口の中に唾が溜まるような魅惑的な印象を受ける。
トーストしたパンにバターがついているというありふれたもので
よく知っている味なはずなのだけれど
とてつもなく美味しい食べ物のように思えてならないのはなぜなんだろう。
みんなが知っている食べ物でここまで空想を膨らませられる言葉も
なかなかないだろうし、効果的に使っている作家さんたちのセンスにも感服する。
日常的なものって、一般的なイメージが出来上がっているので
それ以上の存在にするのも以下の存在にするのも難しいと思う。
そのバタつきパンを、どうしても食べたくて
この間の休日にお気に入りのパン屋さん「プチトマト」で
レーズンパンを買ってきていい感じに溶けたバターを乗せ、
そこに、これまたお気に入りのウインナーと目玉焼き、野菜で
お腹も心も満たされる朝食プレートを作った。
(焼いて、色々乗っけただけなので作ったという言葉は微妙かな?)
いつもならここにコーヒーを合わせるのだけど
秘密の花園のティータイム感を出したかったので紅茶。
頂き物のピーチティーを使わせてもらった。
特にこだわった味付けはしていないので、味としては多分普通。
だた私には美味しく感じられた。
どこで食べるのか、誰と食べるのか、どんな思い入れがあるのかなど
味の良し悪しを決めるのは結局のところ気持ちの問題が大きい。
作品の中のバタつきパンを再現できたのかは分からないし
もしかしたらどこまで頑張っても頭の中の究極の理想は
再現できないのかもしれない。
それでも雰囲気は味わえたので良しとする。
この朝のひと時だけで完璧はなまるきな1日になりました。
赤毛のアンや秘密の花園以外にも
見かけたことがあるはずだと思うけれど思い出せない。
勝手なイメージで児童文学によく出てきそう。
色々落ち着いたら、探してみようか。
もしもこの記事を読んでくださっている方がいらしたのなら
あなたの知っているバタつきパンが出てくる作品をお教えいただきたい。