面白さ★★★⭐︎⭐︎
好き★★★★★
おすすめ★★★★★
衝動買いが多く、家にものが溢れてしまう私にとっては
大変参考になる一冊だった。
20代の頃にフランスに渡欧して
フランス流の価値観に感銘を受けた作者さんが
一生物を迎え入れるためのマインドや
物選びのコツなどを紹介している。
また一生物ではなく日々使っていくと
どうしても廃れていってしまう
消耗品の選び方、替え時などの話も綴られていて
今ある自分の私物をもっと大切にしようと
思えたし、物との付き合い方を見直す
きっかけになった。
まず、使えば使うほど味が出る一生物は
自分が人生を共にしたいと思えるものを厳選してリストアップする。
そしてそのリスト以外のものは絶対に手を出さないと決める。
このリストの作り方は、10年先の自分を想像すること。
欲しいなと思うものを実際に使い古している自分を鮮明に想像する。
とにかく具体的に細かく使っている自分や
その自分はどんな生活をしているか?を考えることだと言っている。
何事にもイメージって大事になってくるんだな。
思考は現実化するというようなことをよく聞くけれど
実際は思っているだけじゃなく
考えてリスト化してイメージすることによって
想像ではなく目標になるから、現実化「しやすい」んだと思う。
だからこそ、本当に時間をかけて
自分は何が欲しいのかを考える必要があるんだろう。
ただただ、いいな欲しいなリストに入れよう。だと
目標になりにくい。
自分がそれを手に入れるために本気で行動できるものを
じっくり考えるべきなんだろう。
一生使うものってそれなりに質がよくお値段もそれなりだから
欲しいものを買うまで無駄なものは買わないと
自分を律することができるだけのエネルギーを注げるかが
大事になってくると思う。
これのためなら無駄遣いしない!
ずっと一途に思いづつけられる!というものが
自分にとっての一生物になるんだろう。
作者さんも本の中で
欲しいものはあるけれど高いから似たようなもので
代用するのは「ずっと好きな人がいるのに
別の人と付き合っているようなもの」と言っている。
それでは買っても買っても満たされないのも当然。
この例えが、個人的に刺さった。
言われてみれば確かにその通り。
一発で自分の中にストンと落ちた言葉だった。
ロマンもあり分かりやすくもある表現で
ずっと心に留めておこうと思った言い回し。
また、使えば使うほど廃れてしまう消耗品の買い方も紹介されている。
日々、使うからこそ細部までこだわって選んだほうが良いとのこと。
柄や生地、形まで自分の好みに合うものに出会うまで
妥協しない。とことん選んでとことん大事に使い倒す。
一生物も消耗品もとにかくこだわって厳選して
手に入れたらとにかく使う!
特にお高いものだと汚れが気になるから
いざという時に使おうとしまってしまいがちだけど
ものは使ってこそ!
ずっと新しいままだと、いつまでも自分に馴染まない。
使うほどに自分に合ってきて馴染んでくる。
だから手に入れたらどんどん使って
パートナーとしての絆を深めていく。
この考えは私にはなかったもの。
確かに買っても使わなかったらもったいないし
ものは使ってこそ。というもの分かってはいたけれど
傷がついたら嫌だなとどうしても使用頻度は少なくなりがちだった。
箱入り娘ならぬ箱入り道具を生み出していた。
でも、使っているうちについた傷は勲章で
自分だけのものにしていくのはなんて素敵なんだろうと考えを改めた。
とても素敵なことを知って早速「生涯のほしい物リスト」を作成している。
それと同時に今ある自分のもの全てに物としての冥利を与えてあげたいと思った。
少しお高かったパンプスも、大事な時に履いて気分をあげようと思って
箱入りパンプスだったが、大事な時に馴染んでくれるよう
日常のお散歩でも使おうと引っ張り出した。
靴磨きについても触れられていたからそこも参考に。
気づけば結婚して子供もいて30代も半ばになろうとしている。
自分にとって本当に必要な物を取捨選択する時期なんだろう。
リストの完成には時間がかかるだろうけれど
じっくり考えて生涯のパートナーに出会えたらいいな。